~ユーザー視点を持つ、信頼できるアドバイザー~\ラボQ&A/「アンバサダー」とは?(第3回 中野さん)
こんにちは、村井です。
\ラボQ&A/「アンバサダー」とは? 第3回をお届けします。
AMN社員インタビュー \ラボQ&A/とは?
入社12年目の私が「アンバサダーマーケティング」について社内外から聞かれ続けてきた質問や他の誰かに聞いてみたいことを質問していくインタビュー企画。登場するメンバーの選出は、インタビュイーからの紹介バトン方式です。
本企画実施に至った経緯+前回までの様子については以下をご覧ください。
▼\ラボQ&A/初回
▼マガジンも作ってみました♪
現在進行形の質問は、「アンバサダーとは?」。
前回の坂根さんからの紹介バトンをつなぎます。
第3回は HAIRSTUDY(ヘアスタディ)中野さん
今回登場するのは、AMNの子会社・HAIRSTUDY株式会社のメンバー中野さんです。
HAIRSTUDY株式会社は、美容師業に携わる全ての人に効率的な学習環境と成長機会を提供し、教育格差を改善することをミッションに、日本最大級の美容師・美容室向けオンライン教育プラットフォーム「hairstudy」及び美容師・美容室オーナー、ヘアケアメーカー向けの情報メディア「hairstudy ZINE」を運営しています。
中野さんは、ざっくり、こんな方。
▼中野さんのブログ
「自分は飽きっぽいのですが、日々飽きることなく満たされています」
「hairstudy」担当になってから、ヘアスタイリストさんに相談して新しい髪型・髪色に挑戦したり、Instagramの使い方や動画編集にまつわる悩み相談に乗ったり…と、公私ともに好奇心を満たされる日々を送っているそうです。
中野さんにとってのアンバサダーは「ユーザー視点を持つ、信頼できるアドバイザー」
※このインタビューはオンラインで実施しました
(以下 中野さん=中、村井=村)
村:お久しぶりです。
今日は、中野さんにとっての「アンバサダー」について教えて下さい。
中:こういうことを言っていいのかわからないのですが、自分は一種のキャンペーン的な「アンバサダー」には興味がなくてですね…。
村:は、はい。
中:「アンバサダー」は、ひとつの肩書だと思っています。
「アンバサダー」を任命するのは、企業が一般的ですよね。
肩書をつける立場にあるのが企業担当者だったり、ブランドの人だったり。世界的には「アンバサダー=大使」で、PR施策の一環で。
でも、(今回は)そういうことは置いておいて、完全に個人的な意見を言わせてもらうと、メーカー(作り手や企業)よりも信頼できるアドバイザー的な存在が「アンバサダー」なのかなと感じています。
企業が持っている正しい情報を噛み砕いて(相手の状況や目線に)落とし込んで語ってくれるのが「アンバサダー」だと。
村:なるほど。
中:例えば、カメラについては、私のアンバサダーは(同僚)Eさんです。
Eさんは、購入前に自分の相談にかなり乗ってくれました。
「この点はいいけど、ここはダメ」
「こういうモノを撮影するのに向いている」
等々詳しく教えてくれたおかげで、納得して購入することができました。
多分、メーカーに問い合わせしても、同じようにはいかなかった。
良い事しか言ってくれなかったでしょうし…ね(笑)。
村:そういう視点ですね。
中:別に、悪いトコロを教えてください、という意味ではなくて…
村:(アンバサダーは)ユーザー視点で教えてくれるということですよね!
中:ええ。そうです、そうです!
ユーザー視点で考えることが出来て、ユーザー視点で伝えてくれる人。
そういう人が「アンバサダー」だと思うし、そうあってほしいな…と考えています。
それから、一般的には「アンバサダー」の肩書をもらったら嬉しい人が多いと思うんです。だから、それもあって、キャンペーン的な(一過性の)アンバサダー施策もたくさん存在していますよね。
それが良い・悪いではなく、その中には私が思う「アンバサダー」とは意識が違う方もいらっしゃると思います。なにか、世の中的に「アンバサダー」という言葉が軽く使われている感じがする時があって。
でも、信念をもって「アンバサダー」している人もいるわけです。
アジャイル(メディア)的に言うと「熱量高いファン」なのですが、そういう人が「アンバサダー」になっているっていうのが理想的ですよね。
村:話を聞いていて感じたのですが、中野さんは以前メーカー勤務だったじゃないですか。チェコのアンバサダー活動もしていますし、そういうこともあって、「アンバサダー」について、企業目線と個人目線の両方をもっているのかなと感じるのですが、どうでしょうか?
中:そうですね。
以前、大手子ども服メーカーに勤めていましたが、各ブランドにはものすごく熱量の高いファンがたくさんいらっしゃったと思います。
当時はまだSNSも限られていましたし、インフルエンサーと言えば芸能人やモデルの方々が大半で、広告的な接点が多かったと思います。
まさに、当時の彼らのような熱量の高いファンの方々が「アンバサダー」として活動してくれていたんだろうなと感じています。
その後も、別のメーカーやWEBメディアにも携わる中で「自分なりのアンバサダーの本質」みたいなものが作られていったんだと思います。
そのせいか「この人だったら安心してお願いできるのでは・・・」という(自分が信頼できる)基準みたいなものがあるので、キャンペーンとして「アンバサダーが1,000人いるからすごい!」という考えにはなりませんでした。その「アンバサダー」は不特定多数のコミュニティであり、私が考える「アンバサダー」ではないのかもしれないので。
もちろん「ファンコミュニティとして応援してくださる方が数千人存在する!」という考えであれば話は別です。
村:中野さんらしいですね。
中:これ、大丈夫ですか? 回答になっていますか?
村:はい。大丈夫です! 正解のない問いをしていますので。
中:あはははは(笑)。
村:いやぁ、本当に。今回は「アンバサダーとは?」を考える時の「目線」の話が初めて出てきたので、新鮮です。
ちなみに、中野さんはチェコのアンバサダーをしているじゃないですか。
ご自身がアンバサダーの立場になる場合には、どんなマインドというか、モチベーションで活動しているのでしょうか?
中:基本的に、“好き”だからやっているっていうのがあります。
先程、「アンバサダーはユーザー視点を持つ、信頼できるアドバイザー」という話をしましたが、少なくとも自分もそうなりたいという思いで活動しています。
「アンバサダー」だからこういう風にしている…というのはないです。
結果論ですが、自分の場合は楽しくてやっていて、それが「アンバサダー」としての活動につながっているという感じです。
村: “好き”だから、楽しく情報発信しているってことですね。
中:ええ。そうです。なんか、不思議な感覚ですけどね。
今、チェコのブログをやっているのですが、そこは全然収益も求めてないし、超自由なんです。
そこで、「チェコアンバサダーだから」って頑張ると、疲れちゃう。
絶対に疲れちゃうし、多分続かないんですよ。
チェコ以外にも(自分の)“好き”はあるから。
村:ああー、その感覚、わかります!
中:チェコってそもそも日本に情報が少ないんです。
そういう国を好きになって、調べようと思ったらまったく情報が無くて。
今、旅行に行こうと思っても行けない中で、身近で自分の好きなモノを体験できるといいなと考えて、疑似体験というと言い過ぎですけど、自分にできること・ブログを通して(チェコに関する)情報発信をすることで、そういうこと(体験提供)ができたらいいなと。
例えば、チェコの輸入雑貨とか輸入卸販売会社に個人的に連絡をして、インタビューしたりしています。
そうすると、普段表に出ることはないけれど、めちゃめちゃチェコに詳しい人や「このビール私が仕入れました!」なんていう人たちと出会う。
村:チェコ話が聞けるんですね!
中:ええ。そういう人たちに話を聞くと、発信したくてもしていないケースがほとんどなので、自分が代わりに発信したくなる感じです。
結果、チェコ共和国以外のところから、
「アンバサダー的に活動していただいて恐縮です!」
と御礼の言葉をいただいたりしています(笑)。
村:まさに、中野さん自身が楽しんで、自主的にやっているからこその活動ですね。ちなみに、(アンバサダーとしての)使命感みたいなものはあるのでしょうか。
中:そうですね。なんかこう…変な使命感ですけどね(笑)。
村:その“変な使命感”は、好きだから、もっと深く学ぼう。わかりやすく伝えよう、といった感じですか?
中:そういう意味で言うと、自分の場合は、「チェコアンバサダー」になってからの方が、チェコに詳しくなりましたね。
チェコアンバサダーって、みんな優しいんですよ。
「これ、ブログに書いたらいいよ」とか、お互いが情報提供しあうようなアンバサダー同士の良いコミュニティになっていて。
その中にいるので、損得関係なく情報提供できる人。そういう人たちが「アンバサダー」であるべきで、自分はそういう人たちのことこそ「アンバサダー」と呼びたかったりします。
村:良い関係性ですね~。
他に、周りの「チェコアンバサダー」から影響を受けたことってありますか?
中:アンバサダーに就任する前(2018年)に一般向けのプレスツアーに参加しました。その時、自分が“初ヨーロッパ”だったので、既存のアンバサダーたちが、色々教えてくれたんです。
プレスツアーですが現地では個人行動だったので「初めてなのに大丈夫?!」と心配してくれて。
「プラハに行ったら、このお店は行った方が良い」
「意外とクレジットカードが使えない店がある」
「朝食の食べ方はこう」とか、色々と親身にアドバイスしてくれました。
そのおかげで、現地で楽しく過ごすことができて、その後自分もアンバサダーに認定されました。
村:アンバサダーがアンバサダーを育てる…貴重な体験ですね。
それでは、最後に、そんな中野さんがおすすめしたいチェコの〇〇を教えてください!
中:山ほどありますが、“ビール限定”でもいいですか?
村:いいですよー(笑)。
中:私のチェコへの入口はビールでした。
日本でも飲める「ピルスナーウルケル」は、ビールが好きな方は是非1度飲んでみてほしいですね!
世界最古の黄金色のビールであり「ピルスナーの元祖」。ピルスナーウルケル醸造所では、今でも1842年と同じ製法で作られ続けており、当時と同じビールが現在も世界中のビールファンを魅了しているんです。
村:ピルスナーウルケル…はじめて聞きました。
本当に、きれいな黄金色ですね~!!
感想雑記
今回は、HAIRSTUDYの中野さんにお話を聞きました。
毎回思うのですが、志を同じくする仲間の想いやエピソードを聞くインタビュータイムは相当楽しく、その後の地道な文字起こしも苦にならないのが不思議です(笑)。
ここまで読んでくださったみなさまにもそんなインタビュアーの楽しさが伝わりましたら幸いです。
今回の収穫は、アンバサダーは
1)“肩書”
2)“企業目線”と“個人/ファン目線”で定義を考えられる
ということの再認識。
企業と顧客。ブランドとファン。作り手とアンバサダー…等々。
言い方・肩書はさておき、お互いの視点を持つことの大切さを感じるインタビューでした。
それでは、今日はこの辺で。
次回も、お楽しみに!!
【追記】
中野さんは2022年11月よりアジャイルメディア・ネットワーク株式会社で勤務しています。