“アンバサダープログラム ケーススタディ Part3” デルアンバサダー
アンバサダーサミット第4弾のレポートになります。
私も尊敬してやまない、デル コンシューマー&ビジネス マーケティング統括本部 コンシューマー マーケティング部 部長の横塚氏 のご登壇をレポートしていきます。
イベントにも参加させて頂いたのですが、デルアンバサダーは一体感や意識が高い方が多いです。それも横塚さんのアンバサダーへの思いがあったからなのでした・・・!
デルのアンバサダープログラムの紹介
タイトルなんですが、
KPI重視・ダイレクトマーケティングのデルが、感情重視のファンマーケテイングを始めた理由
デルというと、ダイレクトビジネスで成長してきた会社
日々、業務をやる中で日々かなり数字を問われてくる。
マーケティングの施策に関しても、
まずは年間でバジェットがあり、4クオーターで分かれていて、
そのバジェットが全て基本的には売り上げ・利益・台数。
全てのアクティビティを上記の3つに紐付けて考えていく。
毎日毎日、なにかしらマーコムというのはだしているのですが、
常に、粗利ベースでこの結果が数字で現れきている。
自分のPCに売り上げデータが今、この時間にも送られてきている。
何か施策がおかしい場合はターゲットに対して未達になるので、
翌週からアクションを変えたり、リカバーを考えていくことが必要になってくる。
数字を見ながらそこはコントロールしている。
そんな我々が2016年の12月にアンバサダープログラムを立ち上げた。
今回は、立ち上げて、どういった背景で立ち上げたのかという話と、
実際になにをしているのか、とこれを実施し、どういった結果が出ているのか。を話していこうと思う。
クチコミが売り上げ・利益・台数に反映されないと思った。
まずはきっかけの話から、
実際に検討を始めたのは2015年、1年かけてローンチさせた。
最初に三年前に徳力からMTGで聞いた時から絶対にやらないと決めていた。基本的に即決できたが、一番最初のアンバサダーの話を聞いた1時間のMTGで最初の10分くらいでやらないと決めた。
理論上ではアンバサダープログラムはロジカルで中身は非常に納得できる面は多かった。エンゲージメントに効くんだろうな、ということも理解した。
けれど、これを実際に事業会社がやって
我々のような数字がすべての会社の場合、
クチコミを売り上げ、利益、台数に落とし込めないだろうと考えた。
1年かけて、その後本当にやらなくて良いのか?というのを考え、実施することを決めた。
4-5年前は、マーケティングの投資はコンバージョン施策が100パーセント
この投資額というのある一定の量を入れても頭打ちになる。
投資額をある一定の額を投下しても、さらなる売り上げ、利益、台数に出なかった。
一方、グローバルの人から言わせると日本もっとやれよ。という感じ。
予算をあげるからもっと伸ばしなさい、となる。
結局、頭打ちが続く。
何回調査をしてもブランドイメージは
低価格、男性的、法人向けほぼ、これに尽きる形になっていた。
ブランドイメージは何回も決まっていた。
ここから、次どうするのかを考え、
今あるマーケティングの投資額が適正な配分になっているのか?を検証した。
具体的な手法としては、1つは統計の手法。
2つはコンシューマーのサベイを何度も行うことで、結果がわかった。
コンバージョン施策に過剰投資しすぎということがわかった。
具体的にいうと例えば、100億マーケのバジェットがあったとする。
これは実は、70億で売上、利益、マーケティング市場が取れた。
残りの30億過剰にやりすぎということ。
その結果がわかったので、過剰予算を分けた。
1つはブランディングこれはマスの広告
テレビのスポットを買いどこがいいのかを検証していた。
2、エンゲージメント施策これがアンバサダー。
これを2年前から予算を一定の額をわりつけた。
どうにも頭打ちになっていた投資額が上がっていった。
購入意向も調べ、2014年は競合の中で6位だったのが、
少しずつ、ROIが向上していった。
約4年かけて今2位まで持って行っている。
自主性の高いデルアンバサダー
デルアンバサダープログラムが実際になにをやっているのか。
私たちの中のフラグシップモデルをアンバサダーの人に約1ヶ月、レンタルを行っている。
登録というところでアンバサダーの方々を集めます。
現状は、8500名の方がアンバサダーとして走らせている。
熱量のばらつきというのはある。全員が全員同じ熱量というのはどれだけ人数が多くなってもできないとは思っている。
アンバサダーになれる人に制限はかけていない。
デルのアンバサダーとして、活動したい人がアンバサダーになれる。
レンタルの仕方として、
誰にでも貸せば良い、ではなく、借りたい人に手を挙げてもらう。
借りたい人の応募フォームを作成し、そこで、
作文のような形で「借りたい意思表示」を表明してもらう。
その応募メンバーを一人一人にプロファイルをして、
なぜ参加したいのか、フォロワーは?なんの機種を使用しているのか、そして誰に貸すのかを決める。
レンタルが終わったら、座談会というのを開いている。
一回に実機が90台くらい貸し出している。
実際に東京以外の方が来るというのは難しいので、
30名~50名の方に来てもらっている。それに対して、社員は20名~30名が来られるようにしている。
このプログラムをこれを3ヶ月に一回やっている。
アンバサダーの人にお願いしているのは一つだけ。
SNSへの投稿を2回してもらう。
アンバサダーの人にリクエストはあるかもしれない。
けれど、ネガなことでも我々は関与しない。
アンバサダーの人はPCの開きが悪いよ、とかもう少しここ改善できない?と言ってくれるというのは色々あるが、チェックはしていない。
アンバサダーの人が感じたものを投稿してもらう。
アンバサダーのクチコミのオウンドメディア利用
書いてくれたレビューというのは自社でFacebook twitter でシェアしたりしている。
それに合わせて、
AdでもFacebook、 Twitterをある一定量流すようにしている。
これによってフォロワーだけではなく、多くの人に見てもらっているというのが現状。
ここからは2年間の結果と気づきをを紹介していく。
アンバサダーの会員数とクチコミは右肩上がり。
もちろんアンバサダーは数では
アンバサダーと口コミは比例するように伸びて行っている。
アンバサダーは数ではないと思っている、なぜ細かくチェックしているのか、というのはが数を見ているのは危険を察知するため。
アンバサダーの数が増えているのに、口コミが下がっていたら、施策の何かがおかしい。危険。
一つ一つきちんと成長しているか、を考えるために必要。
一般的なコンシューマーのお客さんの購入と、アンバサダーの購入が違う。という結果になっている。
アンバサダーの方々には最高峰のモデルを貸しているので、単価が高い、利益率が高い、そう言った結果になる。
NPSについて。
一般のNPSはマイナス41%とか言われているが、
約1年前からかなり改善している。
それに、デルを過去に使用していた人、まだ未使用な人こう言った人たちへのNPSもこの一年で改善が大きく見られている。
実際にやっている実機プログラムは、世の中のNPS自体も変えている。
使ったことのないお客さんの気持ちも変えられている。
アンバサダープログラムをやるのは自社である。
社内の力が必要である。
最後に、
この2年間でアンバサダープログラムで学びはたくさんあるが、その中からいくつか。
1、プログラムオーナーは貴社。Agileでも代理店でもない
2、社内(同他部署含)・社外の協力者を作ることが大切
3、量にこだわるのではなく、質にこだわる
4、単発で施策を走らせるのではなく、全体戦力と連動させる
アンバサダーをやっているのは、アジャイルでも誰でもない、
自分の会社である。これは代理店の事業でもなく。
大きな企業だた、来期のマーケのプランを作ります、となった時には。
エージェンシーが叩きを作ってくれたりする。
けれど、アンバサダープログラムは代理店では絶対無理。
彼らはよく私たちのことを見ている。
建前は見抜かれる。
デルでは、アンバサダープログラムの座談会は半年前から準備している。
セールスのチーム・ブランドのチームなども参加し、
このプログラム全体をどういう風にアジェンダを組むか、
今回はどうするかをものすごい時間を決めていく。
プログラムのオーナーは社内の力がすごく重要になる。
このプログラム全体を約半年前からプランニングをして、塾考を重ねる。
社内・社外での協力者をつくつことが大切。
始めた半年というのは悲惨な時期、約100名でうろちょろしていた。
何をしても動くイメージがなかった。苦しい時期。
この頃やったことは社内で話し合った。
社外でのアドバイスももらっていた。
今でこそ、アンバサダープログラムは多くの企業さんで立ち上げ、成功している方もいるが、その頃は成功事例のようなものもなかった。
どうやったら楽しくなるのか、継続的にアンバサダープログラムをできるのか。
将来どうするべきなのかもよくよく話し込んだ。
このプログラムはマーケの部だけではなく、自分の部内で協力者を募ること、社外でも意見を入れる。いろいろな意見を聞いた方が化学反応が起きる。
人をどう集めるのかも大切
一年間プログラムを立ち上げるのにかかった。
マーケティングをやっていると
「どうやって世の中を動かしていくのか、」がミッションになる。
アンバサダーの数というのは
リーチ数で考えるとアンバサダーは豆粒みたいな物
テレビのリーチ数とアンバサダーのリーチ数を考えるとやる価値なしとなる。
大切なことは、アンバサダーの人たちが 質という意味でマスと考えてはいけない。
だから、深さのクオリティを高める、マスと一緒に考えてはいけない。
アンバサダーの施策は、単発ではない。
マーケの施策としてどうすればうまく回るのか、というのを考えて。
アンバサダーをアンバサダーだけで考えるのではなく、つぶやいてくれたことにadに使うとか。何かに協力してもらう。
など、つなげて考えてマーケの戦略の一環として考えるのが必要かと思っている。
と考えるとアンバサダーがマーケティングのプランの中にちゃんと入ってくると思う。
横塚さん有難うございました!
====本日の朝ドラ
なつが一気に垢抜けちゃいましたね〜
少し寂しいですが、東京編も脇を固める俳優がアツい。
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