アンバサダーマーケティングの3つの入口|(1)エンゲージメント論
こんにちは、村井です。
弊社AMNでは「企業やブランドとつながり、自発的にクチコミや推奨をしてくれる熱量の高いファン」のことを「アンバサダー」と定義して、アンバサダーを軸としたマーケティング支援を行っています。
企業や代理店のご担当者様と情報交換や「アンバサダーマーケティング」導入についてディスカッションをすると、「アンバサダー」の定義や考え方には既にとても興味を持っていただいており、
等々、自社とアンバサダーマーケティングの共通項を探るところから始めたい(始めなければ)という意思を感じる場面が多々あります。
「はじめまして」の場面で感じることが多いということは、おそらくそこに至る前段階でも、何かしら「アンバサダーマーケティング」と自社との“親和性”や“共通点”を見つけようと情報収集されていたり、どこから話を進めるべきなのかを悩んでくださったりする時間があったと察していまして…。
私たち事業者からすると、「聞いてもらえればすぐに答えますよ~」というようなことでも(そういうことだからこそ?)、
「切り出しにくいなぁ…。」
「質問していいのかわからないなぁ…。」
という方も結構いらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、実際にどのような背景/視点から「アンバサダーマーケティング」のご相談を受けることが多いのか。どうやって実施に至ることが多いのか。
弊社が提供する「アンバサダープログラム®」導入検討のご相談について、私の経験則からざっくりと分類し、特にご相談の多かった「アンバサダーマーケティング」の3つの入口※についてお話してみます。
※「入口」という言葉が意味するものとしては、
・企業やブランドにとって、ファンやアンバサダーが大切な存在になってきている理由や背景
・「アンバサダーマーケティング」を推進する企業やブランドの”コミュニケーション戦略”
・「アンバサダープログラム®」の導入目的
などと考えていただけますと幸いです。
このテーマについては、3回に分けて書いてみます。
みなさまのマーケティング活動/コミュニケーション戦略と照らし合わせたり、共通点を探ったりしながら読んでいただき、弊社が推進する「アンバサダーマーケティング」の輪郭をつかんでいただく一助になりましたら幸いです。
1つ目の入口:顧客とのエンゲージメント論
初回の本日お話するのは、「顧客とのエンゲージメント論」です。
「エンゲージメント」は、直訳すると婚約・契約・約束など。
企業やブランドと顧客との間で使う時には、「関与」や「つながり」といった意味で使われています。
ひと昔前には、凝ったデザインやギミックで見る人をワクワクさせるデジタルコンテンツや参加型のキャンペーン等で働きかけて、瞬間風速的に不特定多数からの関与を引き出すタイプのエンゲージメント(戦略)が多くみられました。
その後、SNSが日常に浸透していくと、企業やブランド自らがSNSを活用してファンとつながりを持ち、ゆっくりと時間をかけて理解や共感を深めていくようなエンゲージメントが主流になってきましたよね。
今回お話するのは、後者の意味合いで、「信頼」「愛情」「貢献」といった互いの深い関係性/絆づくりを目指すコミュニケーション戦略です。
「エンゲージメントを高めたい」というご相談の大多数は、こんな時代だからこそ、‟既存顧客”に目を向けたい。自社の‟ファン”を大切にしたい、という企業やブランドの事情/思いが出発点になっています。
“こんな時代”の象徴的なファクトとして特に着目されているのは「人口の減少」と「消費水準の低下」です。
統計局の人口推計(2021年(令和3年)10月1日現在)結果の要約によれば、
と日本の人口減少が進んでいることを伝えていますし、内閣府のホームページで1980年以降の消費行動/個人消費(家計最終消費支出の推移)のグラフなどを見ると、2017年に少し盛り返すものの、ずーっと低下傾向。
コロナ禍・直近についても調べてみると、帝国データバンクの調査では、
ということで、(一生活者としても感じてはいますが)一般家計のお財布事情は決してバンバン消費活動できるような良い状況ではないようです。
このように、人口(顧客候補)の絶対数が減り、消費水準はまだまだ低下傾向にあります。このまま購買を見込む層の人口が減っていくとすれば、今後は新規顧客開拓がもっと難しくなるのではないか、という懸念が出てきますよね…。
そこで注目されているのが、既存顧客やコアファンの存在。
「物事の8割は2割の要素によってもたらされる」という、いわゆる20%-80%の法則/「パレートの法則」は有名ですが、
実際には「2:8」とまではいかなくとも、例えば、カゴメさんが
とコミュニティサイト「&KAGOME」を立上げたのは有名なお話ですよね。
このように、新規顧客創出のハードルが上がっていくことを前提に、自社の売り上げの維持・拡大を図るには、既存顧客(優良顧客≒ファン)の存在がキーになるのではないか?
そうだとしたら、これからはもっと彼らとのエンゲージメントを高める必要があるのではないか?
そんな視点/課題感を持って、弊社にお声掛けをしていただくことが非常に多くなってきています。
そして、情報交換やヒアリングを重ねる中でお伺いするご要望には、
等々があります。
上記は一例ですが、このような目的を達成する手段のひとつとして、顧客/ファンとのエンゲージメントを高める方法を考えたいとご相談をいただくため、【顧客とのエンゲージメント論】と名付けてご紹介してみました。
「アンバサダーサイクル」で実現する、ファンやアンバサダーとの中長期的なエンゲージメント
上述のような新規顧客開拓にまつわる懸念の払しょくは一朝一夕に実現できることではありませんし、既存顧客とのエンゲージメント向上と言っても、何からどうはじめて良いのかわからないという声も聞きます。
そんな時にご案内するのが、「アンバサダーサイクル」です。
これは、米国でソーシャルメディアマーケティングのバイブルとも言われている書籍『グランズウェル ソーシャルテクノロジーによる企業戦略』(シャーリーン・シー/ジョシュ・バーノフ著)で語られているソーシャルメディア活用の「5つの戦略」をもとに、すべてのフェーズで「傾聴」に戻ることを表現したAMN独自の戦略フレームです。
“ファンの声を尊重し、”どうすればもっと 喜んでもらえるか”を常に前向きに考えよう!”という弊社のVMVの「V(Vision)」のひとつ「迷ったらファン目線」(≒常に傾聴に戻る)に通じています。
弊社では、この「アンバサダーサイクル」を活用し、
・傾聴・会話・活性化・支援・共創の5つのエンゲージメントプロセスを通じて顧客と関係性を深めていくこと。
・その中で、“好き”のキモチを活性化し、ファンやアンバサダーを育成・支援すること。
・彼らを自社のマーケティング課題の発見や解決のパートナーとして、つながり続けていくことをご提案しています。
顧客とのエンゲージメント向上の進め方に悩んだ時には、アンバサダーマーケティングのコミュニケーション戦略「アンバサダーサイクル」をぜひ思い出してみてください。
まとめ:顧客をファンに、ファンをアンバサダーに。
今回は、アンバサダーマーケティングの3つの入口/コミュニケーション戦略のひとつである「顧客とのエンゲージメント論」についてご紹介しました。
また、弊社独自の「アンバサダーサイクル」もご案内してみました。
見通しを立てにくいこんな時代だからこそ、既存顧客との関係性を深め、彼らと一緒にマーケティング課題の解決に向けて歩き出してみませんか。
AMNでは、「アンバサダーサイクル」に基づいてファンとのエンゲージメントを高めるソリューション「アンバサダープログラム®」をご提供しています。
「自分では絆づくりが大切だと思いつつも、組織としてもう一歩前に踏み出すことができない。」
「何からどうはじめて良いのかわからない。」
そんな不安や戸惑いも一緒に、弊社にご相談ください。
※アンバサダープログラム®は、アジャイルメディア・ネットワーク株式会社の登録商標です。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
次回は、アンバサダーマーケティングの2つ目の入口「クチコミ論」をご紹介する予定です。
それでは、今日はこの辺で。
すべてのブランドに、アンバサダーを。